巨大プリン

最終話




8月15日。

とうとうこの日がやって来た。
参加するはずだったT君は色々あって東京から戻ってこれなかったのでosukai君と2人でやることになった。

11時頃、osukai君到着。
早速スーパーに材料の買い出しに行く。

牛乳1リットル 3本
プリンエル  9箱

以上の物を購入し、我が家に戻り作業開始。



まず鍋に3リットルの牛乳・プリンエル9箱分をぶち込む。
混ぜる。
そしてグツグツ数十分煮込む。
なんて簡単、実にお手軽だ。



そして数十分が経ち、綺麗に牛乳とプリンエルが混ざり合った。
ホカホカと甘ったるい湯気に吐き気を誘われつつ、鍋のプリンの素の液体を炊飯器の釜に移す。
バケツプリンではなく炊飯器プリンだ。

これでもう後は冷やすだけだ。
炊飯器の釜を冷蔵庫に入れ、数時間待つ。



そして、3時間。

「そろそろ固まったんじゃねえの?」という事で、 炊飯器に入ったプリンを自室に運ぶ。





そして、ひっくり返すことを決意。
ここが正念場だ。
上手にひっくり返さないと中身が飛び散って、僕の部屋を甘ったるいプリンまみれにしてしまう恐れがあるからだ。
なんとしてもそれだけは避けたいので慎重に、それでいて素早くひっくり返す。



緊張の一瞬。

さっと、器をひっくり返す。

「どうだろう?上手くいった?」

今の所プリンは飛び散っていない。

だが、器を持ち上げた瞬間、プリンの倒壊が始まり、僕の部屋はプリンまみれに・・・という 可能性もまだ残っている。

十分に注意しながら少しずつ器を上に上げていく。






ぎゅぶ!!



奇怪な音が鳴る。







ぎゅぶぶ!!ぎゅぶぶぶぶ!!







ずるるる!!









プルン!













驚くほど綺麗にそれは姿を現した。

そのプリンプルンっと揺れる様は正にプリン。
その見紛う事無くプリンっぷりに 僕とosukai君は爆笑した。

腹がよじれるとは、まさにこのことだ。
かなりの時間笑ったと思う。
ようやく笑いもおさまったのでプリンを食すことに。



ゆっくりとスプーンでプリンの山を削る。

そして、ゆっくりと口に運ぶ。









甘い・・・しかし美味い!

そう思ったのも最初の数口だけ。
「やばい、僕吐きそうです」などと弱音を吐いてみたものの まだまだプリンは残っている。
と言うよりも、まだ2、3口しか食べてない。



「これは相当頑張らねば」
そう決意した僕は 恐ろしい程の勢いで口に含む。

含んでは飲みこみ、含んでは飲みこみ・・・・・













頑張ったが所詮人間。巨大プリンに敵うわけもなく あえなく撃沈。







osukai君も撃沈。







結局完食には至らず、各自タッパーに入れてお持ち帰りすることになった。

いつかリベンジする事を誓いつつ、第一回目のHUGEは幕を閉じたのだった。

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