巨大パフェを冬に食べてお腹を壊そう

第4話




この世に量りなんて存在しないと言わんばかりに目分量で砂糖50グラムを入れる。
そしたらば案の定、多くなりすぎた。





砂糖の袋を切る際に、切り口を大きく切ってしまったが故に、予想以上の勢いでドバドバと 滝のように落ちる砂糖。

「あわわあわわ」と漫画のキャラクターのような慌てふためきながらも 「この砂糖大量事件が皆に知れたら怒られる」と考え、 一緒に作業してた何も知らない亮君にクリームの事は全て任せ、 吉田はソファーに座りテレビでも見ながらくつろぐことにした。

万が一砂糖の分量おかしすぎる事件が露呈しても、責められるのは亮君というわけだ。
ひと安心。



吉田がクリーム作りに失敗してる間にも、 プリンの作業は残すところ「冷やす」のみになっていた。

しかしここで重大な問題が発生する。
プリンの素の液体の入ったゴミ箱が、osukai家の冷蔵庫に入らなかったのだ。

「お前、冷蔵庫使う事は事前に分かってた事なんだから空けとけよ、ボケ!」 と、なじろうと思ったが、別に、まあ、なんと言うか、どうでもよくなったので、 「じゃあベランダに放置して冷やそう。12月だし大丈夫じゃねえの」 という事で、 自然冷却。12月の寒気に全てをゆだねることにした。



3時間程ベランダに放置してみたものの、プリンの表面を触ってみると薄く膜が張ってるだけで、 9割方固まっていなかった。

さらに1時間。

プリンが完成しない事にはパフェの作業も止まってしまうし、 何より僕らが待つの嫌になってしまったので、 明らかに冷却時間が足りなさそうなプリンの入ったゴミ箱ベランダから運び出す。

ゴミ箱の側面を触ってみると若干温いのが、そのプリンの不完全さを物語っていた。

けども「温かいのは側面だけで何らかの奇跡により中身はキチッと固まってるんじゃないかな」という 楽観するにも程がある感じで、プリンの入ったゴミ箱をひっくり返す。




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