巨大羊羹予定


第5話


冷蔵庫から取り出された羊羹は固まっていた。

少なくとも表面だけは。



まあ寒天も使った事だしプリンより耐久度がある事は明らか。
崩れる事は無いだろう。



という事で、お盆をゴミバコに被せて、ひっくり返す





上手くいった。

ここまでは上手くいった。

しかし問題はここからだ。

もし固まっていなければ持ち上げた瞬間、僕の部屋は甘いドロドロだらけになるだろう。
いくら寒天を用いたからと言っても不安は残る。

実は前回のプリンの時はお盆からプリンがはみ出して 少しカーペットの上にこぼれてしまったのだ。

それからというもの、部屋で寝転がってるとほのかなプリン臭が僕を襲い、嫌な気分にさせるのだ。

しかしここで躊躇い止まるわけにはいかない。

意を決してゴミ箱を持ち上げる。





おりゃっ。











ぎゅぶっ











ぎゅぶぶぶぶぶっ



なんとも言えない音を発しながら羊羹はゴミ箱から滑り落ちていく。



ブギュギュギュギュ!!ブポンッ!!









それは見事なまでに羊羹だった。



ぬめっとして少しテカテカしつつもプルンプルンと・・・

あれ?プルンプルンしてないぞ・・・?







Back Next
home

1話 2話 3話 4話 5話
inserted by FC2 system