巨大団子

第三話
 




前回クッキングヒーターが機能しなかったのは、上に乗せてた鍋がでかすぎた のが原因のようでした。
まあそれはともかく作業再開。


鍋の中のジュースと上新粉をグツグツ煮る。
最初はダマにならないようにと、少しずつ粉を入れていたのだが、途中から面倒臭くなって 「全部入れちまえ」という僕の支持のもとに、T君が残った粉を全て鍋に入れる。






10分程かき混ぜると程よい具合にトロトロの塊になったので、 しゃもじをトロトロの塊に突き立ててみると





「グニュッ・・・」という弾力性の欠片もない感触があり、予想以上に軟らかかったので 「これは団子と呼べるくらいの硬さになるのか?」という疑問が沸いてきたのだが、 「まあ蒸したら固まるんじゃねえの?」という楽観的にも程があるポジティブ思考で気にしない事にした。





次はこのトロトロの塊の形を丸く整える。
今はこれが団子になるのか甚だ疑問だが、丸くさえすれば形を整えさえすれば 団子に見えるはず。多分。


素手で形を整えるにはいささかトロトロ過ぎるので、袋の中に入れて形を整える事にした。


鍋の中のトロトロの団子の素を袋の中に移す。



袋ごしに団子の素を触ってみると





「生暖かくて気持ちわりー」





生暖かさを我慢して形を整える事10分。
ある程度丸っぽい形に整えられたので袋から取り出し皿に乗せる。


「丸くした事で少しは団子っぽくなったかな」という僕らの予想は大きく裏切られ、皿の上の物体は団子ではなく、最早何なのか作った僕らにもわからなくなっていた。




蒸す前に「最後の抵抗!」とばかりに皿の上の物体の形を整えるが 、 焼け石に水。
今更もうどうしようもないのだ。

失意のどん底の僕らは団子を鍋の中に入れ、蒸し始めた。


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