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一枚千円のステーキ肉が焼ける音と匂いは、それはもう、垂涎寸前というか、ヨダレは下唇辺りまで
垂れていた。
「ああ、この美味しそうなステーキ肉とホカホカの白飯が食いたいなあ!くそう」と思ったのだが、
今や白飯は巨大米粒の塊と化している事を思い出しがっくりとうなだれる。
もう後には引けない、というか、「やっちゃったな〜」という気持ちでどんどん肉を焼いてゆく。
買ったステーキ肉の全てを焼き終え、それを鍋の中に移す。
よいしょ
ずるっ
べちゃっ
食欲を全くそそらない音を立てて鍋の中のタマネギ・ゴボウと対面するステーキ肉。
しかしながら少し遅れてやってきたステーキ肉の湯気がとても良い匂いで食欲をそそり、安心する。
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