巨大牛丼再び

最終話
 




とにかく巨大牛丼は完成した。


「俺試食するねー!」とアホの声。声の主はタニさん。





「いただきまーす」
あ、お前、それ、12枚の内2枚しか無い高い肉じゃねえか





「やわらか〜い」
しゃもじで食うな!箸使え!ほんとお前あほだなっ



と言いつつも、僕も12枚の内2枚しか無い高い肉、タニさんがその内の一枚を食べてしまったので 残り1枚しか無い高い肉、それをぱくり。





やわらか〜い



さすがステーキ肉、実に美味しい。

惜しむらくは、巨大米粒と称して小さなお握りを作った事と 3つあった炊飯器のどれかで炊いた米が異様に硬かった事が合わさって、 米が非常に不味かった事だろうか。

まあ米の美味しく無さを十分に補える程のステーキ肉の美味しさに僕らの食は進む進む。



「15人以上もいるんだから今回のHUGEは余裕だな」と思ったのだが







食べるのを忘れて楽しげに談笑する始末。






「ほら、俺、一杯食べたよ。俺の仕事終わりっ」 みたいな顔をしてこっちを向いてニヤニヤする者まで出てくる始末。

ほんと、お前クズだな!




殆どの人が丼一杯目でごちそうさまする中、何人かは頑張って2杯、3杯と食べていき、 その甲斐あって巨大牛丼は見事完食!
と思ったら鍋の中には、まあ、結構残っていた。




参加者の様子を見ると、最早食べる気力も気持ちも無さそうだったので、残った分は 各々持ち帰る事にする。

弁当箱みたいな容器に残り物の牛丼を詰める。 詰める。詰める。

あれ?結構残ってるぞ、これ。




最終的に10個くらいの弁当箱サイズの量の牛丼が残ったわけだが、 遠方からわざわざ大阪まで来てる人もいるし、そんな人に持って帰らせるわけにもいかず、 その分は主催者である僕が引き受ける事にした。




おもむろに5個程の弁当箱容器を取り 「僕こんだけ持って帰るんで、残りはそっちでよろしく」と、 一人で5個も引き受ける気風の良さをアピールしたところで、 今回のHUGEは幕を閉じた。




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