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巻いてる途中に海苔がパックリ裂けてしまったのだが、見なかった事にして再び巻く。
そして
とうとう完成。
具はマグロとタクワン、これでは鉄火巻きとは呼べないので、ただの巨大のり巻きになってしまっているが、
寿司は寿司、気にする事も無い。
さあ食べよう。
あまり美味しくなさそうなのでT君に味見してもらう事にした。
持ち上げて噛り付く。
ギリギリギリ
ブチィッ!
海苔が嫌な音を立てて引き裂かれた。
その音からは全く美味しそうな感じはしなかったのだが、一応
「味はどう?」と聞いてみた。
T君はただただ曇った表情を浮かべるだけだったので、僕もひとつ噛り付いてみる事にする。
床に置かれた巨大のり巻きを手に取り、持ち上げる。
ズシッ
結構な重さだ。
2歳くらいの子供を抱っこしたような重さなんだと思う。
その2歳の子供の頭にカブリと噛り付く。
海苔が何層にもなっており、なかなか噛み切れない。
それでも懸命に歯でギチギチ数十秒、やっとの思いでブチィッ!という音と共に海苔がちぎれ、
ようやく口の中でモグモグする事が出来たのだが、その時ご飯にお酢を混ぜてない事に気付いた。
おにぎりの味。
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