巨大のり巻きを巻きます

第4話
 




「しゃもじでちょぼちょぼやってるから火傷するんだ」
そう思った僕は台所から鍋つかみを取ってきて、炊飯器の中身を ズボッと取り出し、巨大鍋の上で逆さまに向ける。


ボトンッと落ちるご飯



最初からこうやっておけば一瞬で済む事はわかってたのだが、 階下の台所から鍋つかみを取ってくる手間が惜しかったというか ただ単に面倒くさかったというか。
この腕の火傷は、何事も面倒くさがってたら駄目なんだと教訓めいた ものだったのだろう。



空になった炊飯器に再び米を入れ水を入れ、炊飯スイッチを押す。
これを3回繰り返してようやく4キロの米が炊き上がった。

炊き上がった米を全て巨大鍋に移してみたところで 「ああ、これは無理だなあ…」と早くも完食に暗雲が立ち込めてきたのだが 、もうやってしまったものはどうにもならない。
前進あるのみ、後ろは振り向かない。と、ネガティブなのか前向きなのかよくわからない 決意をしたところで次の工程に移る。



次は具作り。

具はマグロとたくわん。





これを食べやすいサイズに細かく切る。

巨大のり巻きだからと言って、具のマグロまで巨大だったり、たくわんが丸々一本入ってたりなんかしたら 物凄く食べ難いので 適当なサイズに切り分ける。





余ったマグロでお寿司屋さんごっこを始める僕ら。
マグロを適当な大きさに切りT君に渡すと、とても美味しくなさそうな寿司を握ってくれた。
僕はそんな汚らしい素人寿司なんて食べたくないので、作ったT君に食べさせる。
「味はどう?」と聞いてみたら 「醤油無いし不味いわ」と言われたのだが、これは醤油だけの問題でもないだろうと思った。







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