巨大のり巻きを巻きます

最終話
 





「あんたもうこの鍋使わんねやったら下持ってくで」
というセリフと巨大鍋と共にカラアゲの精は去っていった。




カラアゲの精の落し物のカラアゲのおかげで食が進む。



進む進む!噛り付く。




今回のHUGEは楽勝だなと思ったその時、一人三個のカラアゲがとうとう無くなった。
カラアゲパワーでかなり食べたと思ったが、実は全体の3分の1も食べてなかった事に気付く。 嫌な汗が出る。

おかずなくしておにぎり味の巨大のり巻き制覇は叶わねー!と思ったその時。



カラアゲの精は串天ぷらの精へとジョブチェンジをし、僕らの前に現れ、串天ぷらを置いていった。






「うおお、ほんとまじで助かるお母さん!」

油っこい物の精のお母さんに感謝しつつ、再び巨大のり巻きに噛り付く。




串天ぷらのおかげで






かなり巨大のり巻きは小さくなった。





が、飽きた。

マグロに飽きた。



贅沢な話だが、マグロがただのゴムのような気がしてきて、噛む度に不快な思いさえこみ上げてくる始末。

早く、早くタクワンの層までたどり着きたい。

タクワン食べたさに必死に噛り付く!と思ったけど、食べすぎによる胸焼けと腹痛によりそんな事は出来ないので、 小鳥がエサをついばむが如く、箸でちょこっとつついて食べる。




一口に米10粒程度しか運んでなかったのだが、襲いかかる吐き気と嫌な気持ち。
T君に至ってはなんかもうどこかに達しちゃったような顔をしてる。






それでも僕ら二人、吐き気に耐えて耐えて耐え抜いて、そしてやっとタクワンの姿が見えた時。













これ以上食べたら、体に悪いとかそういうレベルの問題じゃなくなってしまうので、残りは恒例のお持ち帰りとする事にした。





こうして残りののり巻きは各々の家庭で家族に嫌がられながら消費する事になり幕を閉じた。




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