巨大春巻きを巻きます。

第9話
 




さあ、いざ、いざ、今から嫌々食べるぞ!



と、意気込んでみたものの、凄く食べたくないです。
だって、これ、見るからに不味そう。
本当に不味そう。
こんな不味そうなものを、しかも大量に食べなきゃならないなんて。
と言うか、なんで僕らはこんなん作ったんだ?という毎回お決まりの疑問を抱きながらも 文句を言っててもこの巨大生春巻きは無くならないので仕方なく













かぶりつく
































































T君もかぶりつく












































にゅるっとした伸びきった焼きビーフンの食感。
微妙にぬくもったレタスやキュウリ。
それでいて鳥皮の油で全体的にギトギトしている。

オエってなりました。
おえーって。

これは生春巻きじゃない。
生春巻きってもっとあっさりした食べ物のはず。
生野菜等のシャキッとした具がつまった食べ物のはず。
生春巻きなんて食べた事無いわけですが、これが生春巻きではない事はすんごいわかる。
これは生春巻きじゃあない。
じゃあなんなんだ?と聞かれても困るし、答えても目の前にあるこの生春巻きもどきは無くなる事は無く、 僕らは食べるしかないのだ。

ないのだ!とか苦渋の思いで決心した僕をよそにムシャムシャ普通に食べるT君。

吉田「T君、これ美味しいの?」
T君「んまいで。んまいんまい」

この子は横浜の一人暮らし生活でロクな物食べてなかったのかなあ。
凄く可愛そうになってきました。


いくらT君がムシャムシャ普通に食べてくれても、この巨大生春巻きを一人で食べきれるわけもなく、 これを食べきるためには吉田も頑張らねばならない。

よし、おれ、がんばる!!
と犬のようにかぶりついたりしてみたんですけど、結局は勢いだけであんまし食えなかったです。


吉田「僕もう無理よ」
T君「うん、もう、無理」

という事で各自お持ち帰りとなりました。

















冷蔵庫の中に眠る生春巻き(の残骸)





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