巨大サンドイッチ

最終話



「天気もいいので外で食べよう!」
というわけで近所の公園で食べる事になった。



持ち運びの際にサンドイッチタワーが倒壊しないようにラップで包んで補強する。





そして到着。



吉田の薄暗い部屋の中ではわからなかったが、 太陽の光の下で見てみると・・・・・・これは酷い。

蛇のように曲がりくねったサンドイッチタワー。
ラップからはみ出す竹ひご。

食欲をそそる要素は何一つなかったのだが、 今日は一段と日差しが強く、このまま長時間放置していれば腐る可能性すらあるので早く食べねばならない。



実はサンドイッチを作る際に「吉田が食べる用」と称して 生ハムや野菜サラダ等の美味しそうな具だけを敷き詰めたスペシャルサンドをこっそり内緒で用意しておいたのだ。
もちろんそれが何段目かもばっちり記憶している。
つまりは僕だけが美味しい具のサンドイッチを食べる事が出来るというわけだ。

それでは美味しいサンドイッチ、いただきます!





パクリ







なんか、トロ〜っとした物がパンとパンの隙間からニョロ〜っと流れ出てきた。

これは明らかに「吉田が食べる用」じゃあない。

間違えた。
「吉田が食べる用」の段を間違えて憶えていたのか、 間違えて違う段を取ってしまったのかは定かではないが、とにかく間違えた。

このトロ〜っとニョロ〜っとした物の正体はピーナッツバター。
食パンにピーナッツバターと言えば普通の組み合わせ。

「うん、美味しい」
そう思っていたのだが









ガリッ!









ジャクッ!









まるで砂を噛んだような食感が僕を襲う。


このサンドイッチの正体はピーナッツバターベビースターサンドだった。
砂を噛んだと思ったのは、どうやら砕かれたベビースターラーメンだったようだ。


にっちゃにっちゃがじがじ。
嫌な音を立てながらも完食。



「気を取り直して次行こう!」



次のサンドイッチに手を伸ばすも・・・
















またピーナッツバター。
ピーナッツバターお好み焼きサンド。



心底げんなりしつつ、ふと横を見ると


すごいよマサルさんより

「なんだ、意外と美味しいよ」とニコニコしているケイスケさん。

そりゃあケイスケさんが食べてるの、「吉田が食べる用」だもの。
そりゃ美味しい。



「吉田が食べる用」サンドはケイスケさんに食べられてしまい、 残るはどうしようもないうんこみたいな具のサンドイッチだけだ。

絶望的になりながらも次のサンドイッチに手を伸ばし、噛り付く。









「あれ?美味しいぞ」




そうなのだ。

最初にぴナッツバターベビースターサンドやピーナッツバターお好み焼きサンドという、いわゆる「ハズレ」を 連続して食べた事により、残るはまともな具のサンドイッチだけになったのだ。


そうと分かれば食べるスピードも上がる、上がる。




そして最後の一枚。

一番最初に作ったベビースターレタスサンドを食べ終え、無事完食。
こうして第12回HUGEは幕を閉じたのだった。



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