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巨大どら焼き
第3話
ホットケーキの素 2箱
餡子 3.8キロ
牛乳 2本
生卵 1パック
ホイップクリーム 1つ
以上の物を購入。
この中にどら焼きを作るのに不必要と思われる物が混じっているわけなのだが、
それはクリーム。ホイップクリーム。
本来どら焼きとは、パン生地の間に餡子が挟まっているだけというシンプルな和菓子のはず。
何故、どら焼きを作るにおいてそんな不必要な物を買ったかと言うと、
ぷりんさんが「生どら焼きは美味しい。生どら焼きを作ろう」と言い出したからにほかならない。
生どら焼きとは、餡子にクリームが混ぜられたもので、通常のどら焼きよりもトロッとしてて甘くて美味しいらしい。
ぷりんさん以外は「生どら焼き」なんて聞いた事も無かったのだが
、ヤフーで検索してみると意外とたくさん表示された。
一応市販されてたりする物だと言う事はわかったのだが、
「ドロッと」「甘い」の部分に何やら凄く失敗の臭いが漂っていたので「生どら焼き」を全面的に否定する
も、結局ぷりんさんの押しの強さに負けてしまい、
巨大生どら焼きを作る事になった。
まぁ、あんこ+クリームと言うのは決してメチャクチャな組み合わせというわけでもないので
味にそこまで支障を来す事は無いだろう。と思っていたのだが、
この生どら焼きによって、僕らがどれ程苦しめられる事になるかと言うのは、まだもう少し後の話。
気を取り直して早速作業に移る。
まず最初の作業はどら焼きの「皮」の部分にあたるホットケーキ製作。
僕とハナイさんとosukai君がホットケーキの粉と卵と牛乳を混ぜてホットケーキの素を作る傍ら、
ぷりんさんは一人部屋の隅で「生どら焼き」の素となるクリームを泡立てていた。
その後姿は抜群に不気味だった。
熱を帯びたホットプレートにホットケーキの素をタラタラタラーっと流し込む。
ホットプレートいっぱいに広がったホットケーキの素は直径40センチくらいになった。
生地の焼ける香りに
期待に胸を膨らますハナイさんとosukai君の後ろで、
一人妙にハイテンションに生クリームを泡立てるぷりんさんに一抹の不安を覚えたのだった。
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