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巨大どら焼き
最終話
僕ら見てるだけで胸焼けを起こしそうなソレを、嫌々ながらも手を伸ばした。
とりあえず端の方をちぎって手に取ってみたのだが、
一口目からどうにも食欲をそそらない。
食べたくないけど食べなきゃどうにもならないので、
手に取った巨大どら焼きの一部を口に運ぶ。
パクッ。
甘い。
どら焼き甘っ!
味はまずまずのものだったんですが、どうにも甘すぎた。
甘過ぎる上に、異常なまでのこの巨大さ。
その巨大さこそがHUGEなのだが、この時ばかりは己の馬鹿さ加減に嫌気がする。
ただでさえこの異常な巨大さのどら焼きにうんざりしてイライラしていたのに、
横でぷりんさんがポロポロ食べカスをこぼして僕の部屋を汚しているので
思わずブチ切れそうになったものの、
ぷりんさんがこぼしたその食べカスをハナイさんが一生懸命に拾い集めるも、ぷりんさんの食べこぼす
スピードの方が速くて拾いきれずにあたふたしており
「ネズミの繁殖速度は猫のそれを捕食する速度を上回る」と言うのに酷似しており、僕は思わず笑っちゃいそうになった。
しかしこのまま笑っていたらますます僕の部屋が汚れるだけなので
「ちょっと、ほんと、僕の部屋ですから、ここ。お願いしますよ、ほんと」
と精一杯頼んでみたのだが、やはりぷりんさんは全く動じず。
ここで一言断っておくが、僕らはぷりんさんの行いに本気で腹を立ててるわけではなく
「ぷりんさん何かやらかす→僕らが突っ込む→ぷりんさんふてぶてしい→爆笑」という一連の流れがコントのように確立してしまっているのだ。
そもそも部屋が汚れて困るのは僕だけなので、ハナイさんもosukai君も無責任に笑っている。
傍から見れば実に楽しそうである。
今回始めてHUGEに他人を呼んだわけなのだが、
僕は初参加の人のこういう(↓)顔を期待してたものの
どちらかと言うと僕の方が
こんな顔(↓)になっていた。
いや、ハナイさんは異常な量のどら焼きに
こんな顔、と言うか、魂が抜け出していた。
いつもは冷静なosukai君も
こんな感じで。
3人とも巨大どら焼きの前で心底参ってるというのに、ぷりんさんは物凄く元気でテンションも高くて
「ぷりんさん、面白い写真取りたいから、どら焼きに顔を突っ込んで食べてみて」
と冗談半分で言ってみたらほんとにやっちゃうもんだから一同爆笑。
こんな冗談を交えながらも、頑張って食べていく内に
少しずつですがだが巨大どら焼きも減ってきた。
少しずつだが
巨大どら焼きも
小さくなっていく。
努力の甲斐あって、とうとう最後のひと欠片。
あと少しなのになかなか手が伸びない。
みんな辛いのだろうが、
この部屋主の僕の方がもっと辛い。
これを食べきるまで部屋にうんこの欠片みたいな物が居座り続けるハメになるのだから・・・
うんこと共生するのはまっぴらなので、最後のひと欠片を口に運び、やっとで全てが終わった。
こうして総重量4.5キロ(内、餡子3.8キロ)の巨大どら焼きは幕を閉じたのだった。
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